認知症ケアの取り組み
現在、65歳以上の3人に1人が軽度認知機能障害および認知症であると言われており、2024年には認知症基本法という認知症に関する初めての法律が制定されました。
これは、認知症の人を含めた国民一人ひとりが「共生する社会を実現すること」を目的とした法であり、いつ誰が認知症になっても安心して過ごすことができる社会を目指したものです。
私たち札幌里塚病院も、認知症の人も安心して療養生活を送れる病院を目指し、医療職だけではなく、事務職・検査技師も含めた全職員が一体となり認知症ケアを取り組んでいます。
私たちの取り組み
当院では、2024年2月より認知症ケアチームを結成しました。
認知症ケアチームが中心となり身体的拘束を行わないケアに挑戦しています。
~研修会の実施~
全職種・全職員を対象とした研修会を定期的に開催しています。
-2025年度研修実績-
第1回 認知症の人ってどんな人?~私たちとの違いはなにか~
第2回 その「不穏」の正体は⁉~せん妄は治せるの?~
第3回 その「不穏」の正体は⁉~BPSDは問題行動?~
第4回 身体的拘束最小化にむけて~当事者にとっての安全とはなにか~
研修会に参加した職員の声
・ 認知症の方もそうでない方も同じように「自分がこうされたら(言われたら)どう思うか?」ということを常に意識してみることの大切さを考えました。
・ 患者さまにとって何が安心で安全かを考える視点が重要であると感じた。
・ 身体的拘束だけではなく、薬剤や話し方でも相手の行動を制限していることにもなるため、意識して行動していくことが必要だと思った。
当院には認知症看護認定看護師が2名在籍しています。
認定看護師が現場に立ち、患者さまのケア・職員の相談に随時対応します。
当院は令和6年4月1日に身体的拘束最小化チームを発足して以来、「人間としての尊厳を守ります」の基本方針の基で認知症看護認定看護師が中心となり、多職種を巻き込み協働で活動計画を立て、各職種がケアの工夫を行っております。
協力体制の効果で現在の当院は身体的拘束のないケアを実現しています。
ケアの継続にむけ、職員への指導・相談等の教育活動も行っていきます。
さらに地域の個人・施設の皆さまにも認知症ケア・身体的拘束に関するご要望・ご意見・ご相談に対応しています。
地域の医療・介護連携を目指して、職員一同邁進していきたいと思います。
認知症看護認定看護師 看護副部長 濵長 暁
認知機能が低下した患者さまは、突然の入院生活に大きな不安を抱えながらも適応しようとご本人なりに努力されています。
私たちはご本人の頑張りをお支えし、1日でも早く札幌里塚病院に慣れ、安全に治療を受けることはもちろん、一人ひとり異なる個性や、ご本人の「持てる力」が存分に発揮できる環境を考え、1日も早く生活の場に復帰できるよう支援いたします。
さらに認知症の人やその支援者だけではなく、地域の皆さまが相談できる場所となれることを目指し、継続して活動していきたいと考えております。
認知症看護認定看護師 佐々木 亜澄
認知症ケアチームとは…
認知症および認知機能がていかしている患者さまの身体治療が円滑に行われることを目的とし、多職種で構成された病院内の専門チームです。
当院の認知症ケアチーム構成員
・認知症サポート医
・認知症看護認定看護師
・社会福祉士
・薬剤師
・理学療法士
・外来、手術室、病棟看護師
・看護補助者
・医療事務員
当院の認知症ケアチームの活動目標
1.多職種で協働し、中核症状および行動・心理症状(BPSD)のアセスメント・支援介入を行い、穏やかに身体治療を受けることができる。
2.せん妄のリスク因子を抽出し、発症を予防する。せん妄発症時は速やかに原因因子を抽出し、対策を講じることで遷延を防止する。
3.身体的拘束実施時は、実施の適正性および一人ひとり異なるその人にとってのより良いケア方法を検討し、苦痛の軽減・早期解除にむけて取り組む。
4.認知症ケアに関して職員が抱える問題や困難感を把握し、解決にむけて取り組む。
認知症看護認定看護師とは…
専門の教育機関において約600時間の研修を受け、認定審査に合格し、水準の高い看護実践能力を有すると看護協会に認められた看護師のことをいいます。
当院には、北海道医療大学認定看護師研修センターで7カ月間の研修を受けた認知症看護認定看護師が2名在籍し、実践・指導・相談の役割を担っています。
認知症看護認定看護師に期待される能力
1.認知症の人の医師を尊重し、権利を擁護することができる。
2.認知症の発症から終末期まで、認知症の人の状態像を総合的にアセスメントし、各期に応じたケアの実践、ケア体制づくり、家族のサポートを行うことができる。
3.認知症の行動心理症状(BPSD) を悪化させる要因・誘因に働きかけ、予防・緩和することができる。
4.認知症の人にとって安心かつ安全な生活・療養環境を調整することができる。
5.多疾患合併による影響をアセスメントし、治療的援助を含む健康管理を行うことができる。
6.認知症に関わる保健・医療・福祉制度に精通し、地域にある社会資源を活用しながらケアマネジメントできる。
7.認知症看護の実践を通して役割モデルを示し、看護職に対する具体的な指導・相談対応ができる。
8.多職種と共同し、認知症に関わる知識の普及とケアサービス推進の役割を担うことができる。







