石灰沈着性腱板炎について

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石灰沈着性腱板炎とは、腱板に沈着したカルシウム塩により急性炎症を起こす疾患です。30−50歳代で頻度が高い疾患です図A
 
図A.石灰沈着性腱板炎の病態
部分が石灰。腱板内に石灰が沈着する炎症性疾患

【原因】
  
 
 はっきりとした原因はわかっていません。
  ただし腱板の加齢変と力学的負荷によって変性と血行不良が起こり、石灰沈着が誘発されると推察されています。



【症状】  
  1.急性期
   ・激しい疼痛
   ・全く肩を動かすことができない
2.亜急性期、慢性期
 ・軽度から中等度の疼痛
 ・運動時のひっかかり感
図B.石灰沈着性腱板炎の急性期症状

【診断】
 
 レントゲンで石灰を確認します 図C
 
図C.石灰沈着性腱板炎のレントゲン像

 
【治療】

肩の安静と痛み止めを内服します。
また石灰部分を穿刺し、ステロイド剤を注射することが有効で、石灰の吸収が促進され症状の改善が得られます。
またシメチジン400mg/日を内服することも石灰の吸収に有効です。
保存治療を行っても症状の改善が得られない場合、手術治療を行います
 
図D.ステロイド注射および薬物治療後の
  レントゲン
 
図Cの2ヵ月後のレントゲン。
 
石灰が消失し、症状も消失した。


 
【エコー下石灰穿刺法について】

   
石灰の穿刺は、X線透視で見ながら行われることが多いようです。
   しかし
当院では治療効果を上げるため、エコーで見ながら穿刺しています。

   どうして、エコーを用いるかというと
    ・X線透視と違い、エコーは断層像です。エコー像で石灰と針の位置が一致していれば、絶対に石灰を穿刺してることになります。
    ・石灰の性状も同時に評価できます。

   ※エコーは妊婦のお腹の赤ちゃんを見るときに用いられている器械です。人体への影響がまったくないと言われる診断装置です。

   エコー下石灰穿刺法は、合六医師の予約外来で行っています。

図E.実際のエコー下穿刺法
図F.左側 図Eの説明
骨頭の上を腱板(青−部分)が覆っている。その中に石灰(赤ーで囲まれた部分)を認める。
そこを針(緑ー)で穿刺している。
 
【手術について】

   
内視鏡で石灰部分を確認し、石灰を除去します。

 

術中写真
石灰(白く見える塊)を器械を使って切除している。
切除後、腱板を修復する。

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文責:札幌里塚病院 整形外科科長 合六孝広